賃貸は東京都か?埼玉・神奈川・千葉か?支援制度と家賃のリアルな比較

1. はじめに

都市部へのアクセスや利便性を重視するなら東京都、家賃の安さや広さを求めるなら埼玉・神奈川・千葉——賃貸住宅を選ぶ際、多くの人がこの2つの選択肢で悩みます。

東京都には若者や子育て世帯を支援する家賃補助制度などの支援が充実している一方で、家賃は全国でもトップクラスの高さ。一方、埼玉・神奈川・千葉などの近県は支援制度こそ限定的ですが、家賃は都内より大幅に安く、通勤圏としても現実的です。では、実際にどちらを選ぶべきなのでしょうか?

この記事では、東京都と近県の賃貸環境を「支援制度」と「家賃水準」という2つの軸から比較し、自分に合った選択肢を見極めるポイントを解説します。

2. 東京都の賃貸支援制度とは?

東京都は、住宅確保が難しい世帯や若者・子育て世帯に向けて、家賃負担を軽減するためのさまざまな支援制度を展開しています。都内で暮らすメリットとして、この制度の手厚さは大きな魅力です。以下、代表的な制度を紹介します。

住宅確保要配慮者向け賃貸住宅支援(セーフティネット住宅)

高齢者・障害者・低所得者・子育て世帯など、住宅の確保が難しい人を対象に、家賃補助や入居支援を行う制度です。民間の空き家や賃貸住宅を「セーフティネット住宅」として登録し、条件に合った入居者を支援します。

支援内容:家賃の一部を補助(月額1〜4万円程度)

対象世帯:年収に制限あり、世帯構成や年齢条件などが基準

物件例:バリアフリー対応や、子育て配慮型住宅など

若者・子育て世帯向け家賃助成(住宅確保支援事業)

特に20代~30代の若者世帯や、18歳未満の子どもがいる子育て世帯を対象に、民間賃貸住宅の家賃を助成する制度もあります。区市町村が主体となって実施しており、地域ごとに内容が異なります。

支援内容:月額1~6万円程度の家賃補助

実施自治体:世田谷区・中野区・杉並区・北区など一部自治体

条件例:区内在住・年収制限・賃貸契約者であること等

都営住宅・公社住宅の優遇制度

東京都住宅供給公社や都営住宅では、所得に応じて低廉な家賃での入居が可能です。抽選制ですが、倍率の低い地域も存在します。

メリット:相場より大幅に低い家賃設定

入居対象:一定の所得以下で、都内に在勤・在住していることなど

募集時期:年数回、定期的に募集あり

民間住宅あっせん・仲介支援(UR・シルバーピアなど)

UR賃貸住宅や高齢者向け優先賃貸住宅(シルバーピア)なども東京都内に多く、敷金・礼金・更新料なしなどのメリットがあります。年齢や家族構成に応じた物件選びが可能です。

3. 埼玉・神奈川・千葉の家賃相場

東京都心に近い「郊外エリア」として人気の埼玉・神奈川・千葉。家賃の安さを理由に、これらの地域に移住する人も増えています。ここでは、それぞれの県の主要エリアにおける家賃相場を紹介し、都内との違いを明確に比較していきます。

家賃相場(2025年時点の目安)

エリア1K~1DK1LDK~2DK2LDK~3DK
東京都(23区)約9.5万円約12.5万円約15.0万円
埼玉県(大宮・川口など)約6.5万円約9.0万円約11.5万円
神奈川県(川崎・横浜など)約7.0万円約10.0万円約12.5万円
千葉県(船橋・市川など)約6.2万円約8.8万円約11.0万円

※駅徒歩10分以内、築15年以内、民間賃貸物件の平均値を基にした概算です。エリア・築年数・設備条件により異なります。

都内との家賃差は?月3万円以上の節約も可能

都内の平均家賃と比べて、埼玉・神奈川・千葉はいずれも月額で2〜3万円程度安く抑えられるケースが一般的です。年単位で見れば、年間30〜40万円の家賃差が生まれることもあります。

例:1LDKの場合
 東京都:12.5万円/月
 埼玉県:9.0万円/月 → 年間42万円の差
 千葉県:8.8万円/月 → 年間44.4万円の差

通勤・通学コストとのバランスも重要

家賃が安い反面、通勤・通学の時間とコストは考慮が必要です。

交通費:定期代は月1〜2万円程度(会社補助が出ることも)

時間:主要駅(池袋・新宿・東京など)までの平均通勤時間は30〜60分

混雑度:埼京線、東西線、京浜東北線などは通勤ラッシュが激しい路線も

リモートワークが浸透してきた今、通勤頻度が減ることで、多少遠くても家賃の安さを優先する人も増えています。

家賃以外のメリット

住居の広さ:同じ家賃でも郊外のほうが間取りが広くなる傾向

子育て環境:自然や公園が多く、ファミリー層には住みやすい

生活コスト:物価や駐車場代も都内より安いケースが多い

あわせて読みたい☞一人暮らしの賃貸仲介手数料どのくらい?

4. どちらに住むべきか?判断のポイント

東京都の支援制度を活用すべきか、それとも埼玉・神奈川・千葉でコストを抑えるべきか──

この判断は、家賃の額面だけでなく、あなた自身のライフスタイルや将来の計画に大きく左右されます。ここでは、住まい選びを考えるうえで重要なポイントを解説します。

支援制度を「利用できるかどうか」

まず確認したいのは、「東京都の支援制度が自分に適用されるか」です。制度の多くには年収上限・年齢制限・子育て中であることなどの条件があるため、対象外であればメリットを受けられません。

若年層(20~30代)や子育て世帯なら都内の補助対象になりやすい

単身者や所得が高めの世帯は、制度の恩恵が受けづらいことも

条件を満たせるか事前に確認しておくことが重要です。

家賃と住居スペックのバランス

同じ金額を払っても、郊外なら広い部屋・新しい物件に住める可能性が高くなります。

東京都:狭いワンルームでも家賃10万円前後

近県:同額で1LDKや2DKの築浅物件も可能

「狭くても便利」or「広くて静か」のどちらを重視するかを明確にしましょう。

通勤・通学の距離と時間をどう考えるか

家賃が安くても、通勤ストレスが高ければ暮らしの満足度は下がります。一方で、リモートワークやフレックス制を活用できる人にとっては、「通勤圏」の定義が変わってきています。

毎日出社 → 都内や駅近が有利

週1~2出社 → 郊外の家賃メリットが活きる

通学(特に小中学校) → 地域の学校環境も確認

通勤頻度と路線の混雑状況も住まい選びの大事な要素です。

子育て・将来のライフイベント

子どもがいる場合:保育園・学校・公園・医療機関の充実度

将来的に結婚・出産を考えている場合:住み替えのしやすさ

高齢期を見据えるなら:バリアフリー・病院の近さ・物価も考慮

今だけでなく3〜5年後の自分を想像して選ぶのがおすすめです。

地域コミュニティ・生活の質も見逃せない

家の広さやアクセスだけでなく、地域の雰囲気や住民の層も生活満足度に大きく関わります。

都内:利便性は高いが、匿名性が強く、物価も高め

近県:地域交流や自然が豊かで、ファミリー層に人気の街も多い

→ 可能であれば実際に歩いてみる・内見することで雰囲気を確認しましょう。

5. 結局どっちがお得か?シミュレーションで比較!

ここでは、東京都と埼玉・神奈川・千葉に住んだ場合で、1年間にかかるコストをシミュレーションし、どちらが金銭的に「お得」と言えるのかを検証してみます。条件は以下の通りとし、3つのモデルケースで比較します。

【シミュレーション前提】
単身 or 夫婦+子ども1人の世帯
通勤頻度:週3日(定期代あり)
都内の支援制度を利用できる人できない人の両方を想定
家賃以外は概算(交通費・生活費など)

ケース①:単身・20代・年収350万円・制度利用可(都内)

項目東京都(支援あり)埼玉県(支援なし)
家賃(1K)95,000円 → 70,000円
(補助2.5万)
65,000円
年間家賃84万円78万円
交通費(月)5,000円(都区内定期)12,000円(郊外→都心)
年間交通費6万円14.4万円
合計支出90万円92.4万円

都内の支援が受けられるなら、郊外よりもお得!

ケース②:夫婦+子ども1人・年収600万円・制度対象外

項目東京都(支援なし)千葉県(支援なし)
家賃(2LDK)150,000円110,000円
年間家賃180万円132万円
交通費(月2人分)10,000円(区内)25,000円
年間交通費12万円30万円
合計支出192万円162万円

支援が使えない場合、郊外の圧倒的な家賃差が有利!

ケース③:30代共働き・年収500万円+400万円・子どもなし

項目東京都(支援なし)神奈川県(支援なし)
家賃(1LDK)125,000円100,000円
年間家賃150万円120万円
交通費(月2人分)8,000円20,000円
年間交通費9.6万円24万円
合計支出159.6万円144万円

共働き世帯でも郊外がコスト優位。ただし通勤負担とのバランスを考えるべき。

【結論】どっちがお得?

状況・属性おすすめ
若者・子育て世帯で都の支援を受けられる東京都内の制度活用が◎
支援制度が使えない/広さ重視郊外(埼玉・神奈川・千葉)が◎
通勤頻度が少ない/リモート中心郊外の家賃メリットが活きる
時間や快適性を最重視したい都内の利便性が勝る場合も

コストの単純比較では郊外に軍配が上がるケースが多いですが、支援制度をしっかり活用できる場合や、生活の利便性を優先したい場合は都内も十分お得に暮らせる選択肢です。

東京の支援制度は非常に手厚いですが、利用には条件があります。一方、支援を受けられない人やより広い住居を求める人には、埼玉・神奈川・千葉といった近県も現実的かつ魅力的な選択肢となります。

自分のライフステージに応じて、冷静に比較検討してみましょう。

あわせて読みたい☞東京で一人暮らしを始めるための部屋探しガイド

6. まとめ

東京都は家賃が高い反面、若者や子育て世帯を対象とした支援制度が充実しています。一方、埼玉・神奈川・千葉は家賃が大幅に安く、広い住居や自然環境を求める人にとって魅力的な選択肢です。

結局どちらが“お得”かは、年収・家族構成・通勤頻度・支援制度の利用可否によって大きく異なります。大切なのは「今の生活」だけでなく、「数年先の暮らし方」も見据えた住まい選び。

支援制度と家賃差を冷静に比較し、自分にとって最適な住環境を見極めましょう。

あわせて読みたい☞東京で仲介手数料無料!おすすめの賃貸不動産会社5選