一人暮らしを始めるとき、賃貸物件を探す際に気になるのが「仲介手数料」です。不動産会社に物件紹介や契約の仲介を依頼すると発生する費用ですが、具体的にどれくらいかかるのか、仕組みや注意点を解説します。
目次
1. 仲介手数料の基本とは?

仲介手数料とは、不動産会社が物件を紹介し、契約が成立するまでの業務を行ったことに対して支払う報酬です。
物件探しから契約締結までの手間を大幅に軽減できる便利なサービスですが、その対価として費用が発生します。
仲介手数料の対象業務
不動産会社が提供する以下のようなサービスが対象となります。
物件探しのアドバイスと紹介
希望条件に合う物件を提案し、情報提供します。
内見の手配と案内
実際に物件を見学するためのスケジュール調整や案内を行います。
契約手続きのサポート
賃貸契約書の作成や条件交渉、必要書類の確認などを代行します。
契約成立後のフォロー
鍵の引き渡しや入居に関する手続きを補助します。
仲介手数料の上限とは?
仲介手数料には法律で定められた上限があり、不動産会社が自由に高額な手数料を請求することはできません。
法律での上限規定
宅地建物取引業法では、仲介手数料の上限を次のように定めています:
家賃1ヶ月分(税別)まで
家賃が高額であっても、1ヶ月分以上の仲介手数料を請求することは法律違反です。
半月分に抑えられる場合も
法律上は借主と貸主の双方から仲介手数料を受け取ることが可能であり、その場合、借主の負担が半額になるケースもあります。
仲介手数料を支払う理由
仲介手数料は、物件選びから契約締結までの多くのプロセスを専門家がサポートするための費用です。以下に、その価値を具体的に挙げてみます。
専門知識を活用できる
不動産会社は物件の選び方や契約内容、トラブル防止策などの専門知識を持っています。これにより、安全でスムーズな契約が可能です。
時間と手間を節約できる
希望条件に合う物件を探し、内見を調整し、契約を進める作業は手間がかかります。これらを代行してもらえる点が大きなメリットです。
市場情報を得られる
不動産会社は、物件の相場や地域の住環境について詳しい情報を提供します。自分だけで探すよりも、より的確な選択ができるでしょう。
仲介手数料を巡る注意点
必要以上の請求に注意
一部の業者では、不透明な名目で追加料金を請求することがあります。「仲介手数料」に含まれる業務範囲を確認し、不当な請求がないかチェックしましょう。
仲介手数料無料や割引の理由を確認
仲介手数料が無料または割引される場合、その理由を確認することが重要です。たとえば、貸主が不動産会社に手数料を支払っているケースや、サービス内容が簡略化されているケースが考えられます。
契約書の確認を徹底する
仲介手数料の金額や支払い条件は、契約書に明記されています。必ず事前に確認し、不明点があれば担当者に質問しましょう。

2. 一人暮らしの賃貸仲介手数料の相場

賃貸物件を契約する際、仲介手数料は初期費用の中で大きな割合を占めます。一人暮らしを始める際には、家賃や物件の条件に応じて仲介手数料が変わるため、相場を把握しておくことが重要です。以下に詳しく解説します。
仲介手数料の相場は「家賃1ヶ月分(税別)」
仲介手数料の相場は、宅地建物取引業法に基づき「家賃の1ヶ月分(税別)」が上限とされています。ほとんどの不動産会社はこの上限額を基準に設定しています。
計算例
家賃5万円の場合
仲介手数料:50,000円(税別)
消費税10%を加算 → 55,000円(税込)
家賃7万円の場合
仲介手数料:70,000円(税別)
消費税10%を加算 → 77,000円(税込)
家賃10万円の場合
仲介手数料:100,000円(税別)
消費税10%を加算 → 110,000円(税込)
家賃が高い物件ほど仲介手数料も増えるため、初期費用全体に大きな影響を与えます。
仲介手数料が変動する要因
仲介手数料の相場は「家賃1ヶ月分」とされていますが、実際の金額は以下の要因によって変動することがあります。
不動産会社のポリシー
一部の業者では「半月分」「無料」など、独自の割引を提供するケースがあります。
業者によっては、法律上の上限額以下で設定している場合もあるため、交渉次第で負担を軽減できることもあります。
貸主からの手数料負担
貸主が不動産会社に手数料を支払う場合、借主の負担が軽減されることがあります。この仕組みを活用して、「仲介手数料無料」とする物件もあります。
地域差
都市部の人気エリアでは、競争が激しいため仲介手数料が満額(1ヶ月分)になることが多いですが、地方や郊外では交渉の余地がある場合もあります。
3. 仲介手数料が安い、または無料になるケース

賃貸物件を探す際、「仲介手数料が無料」または「通常より安い」といった物件に出会うことがあります。こうしたケースはどのような仕組みや理由によるものなのでしょうか?以下に詳しく解説します。
仲介手数料無料になるケース
仲介手数料が無料になる物件では、主に以下のような理由が考えられます。
貸主が手数料を負担している場合
不動産会社が仲介業務の対価を貸主から受け取ることで、借主には手数料が発生しないケースです。
背景
貸主は物件を早く貸し出したいと考えています。そのため、借主の負担を減らし、契約を促進するために手数料を負担することがあります。新築物件や空室率が高い物件で見られることが多いです。
自社物件の募集の場合
不動産会社が貸主である「自社物件」の場合、仲介を必要としないため、仲介手数料が無料になることがあります。
仕組み
物件を所有する会社が直接貸し出すため、仲介業務が不要です。代わりに管理費や礼金が発生することもあります。
キャンペーンや期間限定の特典
繁忙期を外した時期(例:5月以降)や、特定の物件に対するプロモーションとして、仲介手数料を無料にするキャンペーンが行われることがあります。
「初めての一人暮らし応援キャンペーン」
「秋の引っ越し割引」などの名目で手数料が無料になる場合があります。
IT重説物件での割引効果
オンラインでの内見やITを活用した重要事項説明(IT重説)を提供している業者では、運営コストを抑えられるため、その分手数料を無料にしている場合があります。
仲介手数料が安くなるケース
仲介手数料が無料ではなく「割安」になる物件もあります。以下のような理由が一般的です。
借主と貸主の両方から手数料を受け取る場合
法律上、不動産会社は貸主と借主の両方から仲介手数料を受け取ることが可能です。この場合、借主の負担が軽減されることがあります。
借主が家賃の半月分を支払い、残りの半月分を貸主が負担するケース。
計算例(家賃6万円の場合)
借主負担:30,000円
貸主負担:30,000円
合計60,000円の手数料を不動産会社が受け取る仕組み。
交渉次第で安くなる場合
不動産会社に相談することで、仲介手数料を値引きしてもらえることがあります。
借主を獲得したい競争が激しい地域では、他社との差別化のために手数料を下げる業者もあります。
特定の条件付きでの割引
物件の条件や借主の状況に応じて、手数料が割引されることがあります。
学生向け特典:家賃半月分の手数料で契約可能。
長期間の入居が条件:2年以上の入居で手数料割引。
注意すべきポイント
無料や割安の理由を確認する
仲介手数料が無料または割引される理由は、事前にしっかり確認しましょう。例えば、以下の点をチェックしてください。
無料の代わりに、他の名目で費用が発生していないか(例:広告料、管理費)。
サービス内容が限定されていないか(例:内見回数の制限、契約サポートが簡略化されている)。
他の初期費用が高額になる可能性
手数料が無料の場合でも、敷金や礼金が高額に設定されていることがあります。総額で判断することが重要です。
契約条件が制約される場合も
特定の保証会社の利用が必須となる場合があります。
契約解除時の違約金が高く設定されるケースもあるため、契約書を十分に確認しましょう。
仲介手数料を節約するためのポイント
仲介手数料無料の物件を探す
インターネットや不動産情報サイトで「仲介手数料無料」と検索すると、条件に合う物件が見つかりやすくなります。
複数の不動産会社を比較する
同じ物件でも、不動産会社ごとに手数料が異なる場合があります。複数社に問い合わせて比較するのがおすすめです。
オンライン不動産仲介を利用する
仲介手数料を低く設定しているオンライン型の不動産仲介サービスを利用するのも有効です。
4. 一人暮らしの費用に占める仲介手数料の割合


一人暮らしを始める際には、仲介手数料のほかにもさまざまな初期費用がかかります。以下は、一般的な費用の内訳です。
| 費用項目 | 金額の目安(家賃7万円の場合) |
|---|---|
| 敷金 | 7万円(家賃1ヶ月分) |
| 礼金 | 7万円(家賃1ヶ月分) |
| 仲介手数料 | 7.7万円(家賃1ヶ月分+消費税) |
| 初月の家賃 | 7万円 |
| 火災保険料 | 1.5万円~2万円 |
| 合計 | 30万円~32万円 |
ポイント
仲介手数料は初期費用の中で大きな割合を占めるため、物件選びでは重要な検討材料です。
5. 仲介手数料に関する注意点

賃貸物件を契約する際、仲介手数料は初期費用の中で大きな割合を占める重要な費用です。しかし、仲介手数料に関してはトラブルや誤解が生じやすい側面もあります。ここでは、契約時に注意すべきポイントを詳しく解説します。
仲介手数料の適正額を確認する
法律で定められた上限
仲介手数料は、宅地建物取引業法で「家賃1ヶ月分(税別)」が上限と定められています。不動産会社がこれ以上の金額を請求することは違法です。
例:家賃7万円の物件の場合
上限額:70,000円(税別)
消費税10%を加算 → 77,000円(税込)
適正額を超える請求に注意
悪質な不動産会社が、上限額を超えた仲介手数料を「特別手数料」「事務手数料」など別名目で請求する場合があります。契約書に明記されていない料金が追加されていないかを必ず確認しましょう。
契約書を詳細に確認する
契約書に仲介手数料の金額や支払い条件が明記されていない場合、不透明な請求が後から発生する可能性があります。次のポイントを必ず確認してください。
契約書で確認すべき項目
- 仲介手数料の金額
- 手数料が発生する理由(対象業務)
- 支払い時期(契約時に一括か、分割が可能か)
「借主負担」と「貸主負担」の内訳
一部の物件では、貸主と借主が仲介手数料を分担する場合があります。この場合、借主負担分が適切な範囲か確認することが大切です。
無料や割引の理由を確認する
仲介手数料無料の背景を理解する
無料の物件には、次のような理由が隠れていることがあります。
貸主が手数料を全額負担している。
サービス内容が限定的で、別の名目で料金が発生する。
例: 管理費が高額に設定されている場合や、保証会社利用料が必要になる場合があります。
割引の条件に注意
キャンペーンなどで仲介手数料が割引になる場合、その条件が契約内容に影響しないか確認してください。
長期間の契約を求められる。
解約時に違約金が高額になる。
トラブルを防ぐためのポイント
初期費用全体を把握する
仲介手数料だけに注目せず、初期費用全体を比較することが重要です。敷金や礼金、火災保険料などを含めた総額で判断しましょう。
信頼できる業者を選ぶ
口コミや評判を調べ、透明性が高く対応がしっかりしている不動産会社を選びましょう。
チェックポイント
説明が丁寧か。
手数料や費用に関して質問した際、明確な回答が得られるか。
契約書を交わす前に質問する
不明点を放置すると、後からトラブルになる可能性があります。以下の質問をして、納得してから契約を進めましょう。
仲介手数料以外に発生する費用は?
手数料が割引や無料になる理由は?
キャンセル時の費用負担は?
仲介手数料を節約するための交渉ポイント
交渉次第で値引きが可能
仲介手数料は法律で上限が定められているだけで、下限はありません。そのため、不動産会社に交渉することで割引が可能な場合もあります。
「他社では半月分だった」
「予算が厳しいので、もう少し安くならないか」
複数の業者を比較する
同じ物件でも、不動産会社によって仲介手数料が異なることがあります。複数の業者に問い合わせて、最も有利な条件を選びましょう。
その他の注意事項
オンライン仲介サービスを検討する
最近では、オンラインでの不動産仲介サービスが増えています。これらのサービスでは、運営コストが低いため仲介手数料が割安になっていることが多いです。
違法な請求には注意
法律に反する不当な請求があった場合、消費者センターや弁護士に相談しましょう。また、宅地建物取引業法に基づき、不動産業者には説明義務があります。正しい情報が提供されない場合は契約を見直すことを検討してください。
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6. まとめ

仲介手数料は、賃貸契約における初期費用の中で大きな割合を占める重要な費用です。一般的に家賃1ヶ月分(税別)が上限とされていますが、無料や割引となるケースもあります。
手数料の適正額を確認し、契約書に記載された内容をしっかり確認することで、不当な請求やトラブルを防ぐことが可能です。また、複数の不動産会社を比較し、交渉を試みることで節約につながる場合もあります。
無料や割引の場合は、その理由や他の費用が増えていないかを確認しましょう。総費用を見据えて、信頼できる業者を選び、安心して新生活をスタートさせてください。

