1. はじめに
賃貸物件でよく使われる床材のひとつに「クッションフロア」があります。見た目はフローリングのようでも、実際は塩化ビニール素材でできており、柔らかく水に強いのが特徴です。
しかし、その反面、家具の重みや衝撃で「えぐれ」や「破れ」が起こりやすく、退去時の原状回復費用が気になる方も多いのではないでしょうか。小さな傷なら軽微な補修で済むこともありますが、範囲が広がると部分張替えや部屋全体の施工が必要となり、思わぬ出費になるケースもあります。
本記事では、クッションフロアの修繕費用の相場や、フローリング・フロアタイルなど他の床材との比較、さらにはトラブルを避けるための予防策についても分かりやすく解説します。
2. クッションフロアとは?特徴と弱点

クッションフロアの基本
クッションフロア(CF)は、塩化ビニールを素材としたシート状の床材です。名前の通り適度な弾力があり、住宅のキッチン・洗面所・トイレなど水回りを中心に採用されることが多い床材です。
見た目はフローリングやタイルに似せたデザインも多く、施工性とコストの安さから賃貸物件で広く使われています。

クッションフロアの特徴
水に強い:ビニール製のため水をはじき、掃除もしやすい
安価で施工しやすい:1㎡あたり数千円で施工可能、張替えもしやすい
デザインが豊富:木目調や石目調など、フローリング風に見せられる
柔らかい:弾力性があり、歩いたときの足腰への負担が少ない
クッションフロアの弱点
傷つきやすい:家具の跡や重い物を落とした衝撃で「へこみ」「えぐれ」ができやすい
めくれやすい:経年劣化で端が浮いたり、めくれたりすることがある
耐久性に劣る:フローリングに比べて寿命が短く、5~10年程度で張替えが必要
高級感に欠ける:デザインは豊富でも、質感は本物の木材に劣る
3. クッションフロアがえぐれたときの原状回復費用の目安
部分補修で済むケース
小さな傷やえぐれなら、管理会社や業者によって「部分補修」で対応してもらえることがあります。
- 数センチ程度の小さなえぐれ:5,000円~15,000円程度
- 補修用のパッチやシートを貼る簡易施工で済むことが多い
- 傷が浅ければDIY用の補修キットで応急処置できる場合もある
部分張替えになるケース
傷や破れの範囲が大きい場合は、部分的に張り替える必要があります。
- 30cm以上の破れや広い範囲のえぐれ:1㎡あたり3,000円~6,000円程度
- 張替えは「同じ柄の材料」が手に入らないと、色や柄の差が目立つリスクあり
- 広さによっては「一面張替え」を求められることもある
部屋全体の張替えが必要なケース
傷が広範囲に及んでいたり、部分補修では見た目が悪いと判断された場合、部屋全体の張替えになるケースがあります。
- 6畳の部屋の場合:30,000円~50,000円程度が相場
- 施工費+材料費がかかり、部分補修より大幅に高額
- 管理会社によっては「一面に傷がある=全面張替え」と判断されやすい
注意点
原状回復の費用は国交省のガイドラインに基づき「借主の故意・過失による傷」が対象
通常使用による経年劣化(色あせ・日焼けなど)は借主負担にはならない
ただし「家具を引きずってえぐれた」「重い物を落として破れた」などは借主の責任とされることが多い
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4. 他の床材と比べて高い?安い?


床材ごとの原状回復費用の目安を比較してみましょう。
| 床材 | 特徴 | 部分補修の目安 | 全面張替え(6畳) |
|---|---|---|---|
| クッションフロア | 安価・水に強いが傷つきやすい | 5,000~15,000円 | 3~5万円 |
| フローリング(無垢) | 高級感・耐久性あり | 1万円~数万円 | 10~20万円 |
| フロアタイル | 見た目がフローリングに近い | 5,000~2万円 | 5~8万円 |
| カーペット | 汚れやへたりやすい | 5,000~1万円 | 3~6万円 |
→ 結論:クッションフロアは比較的安価。ただし「傷つきやすさ」から補修の頻度が高くなりがち。
5. トラブルを避けるための工夫

クッションフロアは安価で扱いやすい反面、傷やえぐれが起こりやすい床材です。退去時に高額な原状回復費用を請求されないためには、日常的な工夫でダメージを防ぐことが大切です。
家具による傷を防ぐ
フェルトやラグを敷く:テーブルやベッド、タンスの脚にフェルトを貼るだけで床への負担を軽減
チェアマットを活用:キャスター付き椅子は特に傷をつけやすいため、デスク下には透明マットを敷くと安心
重い家具は移動時に持ち上げる:引きずると簡単にえぐれるため、必ず持ち上げて移動
水回りの劣化を防ぐ
濡れたまま放置しない:キッチンや洗面所では水はねを放置すると、接着面が弱まりめくれの原因に
吸水マットを使用:洗面所や玄関にはマットを敷き、直接水や泥が床に触れないようにする
小さな傷は早めに対処
補修シール・パテで応急処置:ホームセンターやネット通販で安価に入手可能
広がる前にカバー:放置すると劣化が進み、部分補修では済まなくなる可能性あり
日常的な意識で予防
スリッパを履く習慣:小石や砂を持ち込んで歩くと細かい傷の原因に
定期的な掃除:砂やゴミを放置すると、踏みつけた際に表面が削れるリスクあり
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6. まとめ

クッションフロアは賃貸物件でよく使われる床材ですが、その柔らかさゆえに「えぐれ」や「破れ」が起きやすく、退去時に原状回復費用が発生するケースがあります。
小さな補修なら数千円で済むこともありますが、範囲が広がると部分張替えや一面の張替えとなり、数万円規模になることも珍しくありません。
他の床材と比べると費用は安めですが、その分傷つきやすいため、家具の下にマットを敷くなどの工夫が必要です。普段から予防を心がければ、高額な請求を避けることにつながります。

