目次
1. はじめに

賃貸物件を探すとき、家賃や設備にはこだわっても、「仲介手数料」についてはなんとなく言われるがまま払っていませんか?
実はこの仲介手数料、同じ物件でも不動産会社によって金額が異なり、交渉次第では無料になるケースもあります。その鍵を握るのが「相見積もり」です。複数の不動産会社に初期費用の見積もりを依頼し、条件を比較・交渉することで、数万円単位の節約が可能になります。
本記事では、相見積もりの具体的な方法や交渉のコツ、実際に使えるテンプレートまで、初心者にもわかりやすく解説します。

2. 仲介手数料とは?相場と仕組み
賃貸物件を借りる際、初期費用の中で意外と大きな割合を占めるのが「仲介手数料」です。
でも、よくわからないまま「そういうものか」と支払っていませんか?
この章では、仲介手数料の意味や法律上の上限、相場がどう決まっているのかを詳しく解説します。
仲介手数料とは?

仲介手数料とは、不動産会社に物件を紹介してもらい、契約が成立したときに支払う報酬です。
不動産会社は、物件探し・内見調整・申込・契約書の準備などを代行してくれるため、その対価として仲介手数料を請求します。
■ 法律で定められている上限
仲介手数料は、宅地建物取引業法(宅建業法)という法律で上限が決められています。
- 貸主・借主それぞれから「家賃の0.5ヶ月分+税」まで
- どちらか一方からしかもらわない場合は「家賃の1ヶ月分+税」が上限
つまり、不動産会社が借主(あなた)に対して請求できるのは、最大で家賃の1ヶ月分+消費税です。
たとえば、家賃が80,000円の場合、請求される仲介手数料の上限は
80,000円 × 1.1(消費税10%)= 88,000円
実際には「1ヶ月分」が主流?
多くの不動産会社では、「仲介手数料=家賃1ヶ月分+税」というパターンが一般的です。
これは、法律で認められた上限いっぱいの金額で、会社にとって最も利益が出る形だからです。
しかし実際には、仲介手数料は請求しないといけないものではなく、あくまで上限が定められているだけです。
つまり「無料」や「半額」とすることも法律上まったく問題はありません。
なぜ不動産会社によって金額が違うのか?
ポイントはここです。同じ物件でも、
A社では「仲介手数料 1.1ヶ月分」
B社では「0.5ヶ月分」
C社では「無料」
と、仲介会社によって手数料が違うことがあります。理由は以下のとおりです。
自社管理物件なら無料にしやすい
その不動産会社自身が物件の管理もしている場合、大家から報酬(管理料やAD)を得ているため、借主からの仲介手数料を無料にしても利益が出ます。
他社と競争しているため値下げする
同じ物件を他社も取り扱っていると、不動産会社は「自分のところで契約してほしい」と考えます。
その結果、「ウチなら仲介手数料無料にしますよ」と値下げするケースも多くあります。
広告料(AD)が高い物件は無料にしやすい
物件によっては、大家側が「この物件を決めてくれたら5万円あげます」といった形で広告料(AD)を設定していることもあります。
このような物件なら、仲介手数料を無料にしても裏で利益が取れるので、不動産会社側も柔軟に対応しやすくなります。
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仲介手数料は「交渉できる」費用
以上のことからわかるように、仲介手数料は不動産会社ごとに金額が違い、しかも交渉が可能な費用です。
特に、複数社から見積もりを取り、比較する「相見積もり」をすることで、無料または割引してもらえる可能性が大きく高まります。
3. なぜ相見積もりで無料にできるのか

「同じ物件なのに、A社では仲介手数料が1ヶ月分、B社では無料?」
これ、実はよくある話です。理由は、賃貸物件は“どの仲介会社からでも紹介できる”ことが多いからです。
ほとんどの物件は「REINS(レインズ)」で流通している
賃貸物件の多くは、「REINS(レインズ)」という不動産業者専用の物件データベースに掲載されています。
これは不動産業者同士が情報を共有しているシステムで、A社の物件をB社が紹介することも、法的にまったく問題ありません。
つまり、物件の持ち主(貸主)と直接契約していない会社でも、その物件を仲介できるということです。
この仕組みにより、「同じ物件を複数の不動産会社が仲介できる=競争が起きる」状態になっています。
仲介手数料は“会社の利益”だから削りやすい
仲介手数料は、不動産会社にとって「粗利」に近い部分です。大家さんからもらえる広告料(AD)や管理費などとは別に、借主から直接もらえるお金なので、利益率が高いのです。
つまり他社との競争がある場合、不動産会社としては
- 「手数料を割引 or 無料にしてでも契約を取りたい」
- 「契約が取れればADや他の報酬で利益を確保できる」
という判断をすることがあります。
相見積もりは“価格競争”を引き出す武器
複数の不動産会社に初期費用の見積もりを依頼することで、
「他社では仲介手数料が無料でした」といった交渉材料が得られます。
業者からすれば、
「他社に取られるくらいなら、ウチで手数料を下げて契約してもらおう」と考えるのが自然です。
実際、同じ物件の見積もりでも
A社:仲介手数料1.1ヶ月分
B社:仲介手数料0.5ヶ月分
C社:仲介手数料無料(ADで利益確保)
と大きく差が出ることは珍しくありません。
交渉は「こちらから言わないと」始まらない
不動産会社の多くは、何も言わなければ満額の仲介手数料を提示します。
しかし、「他社は無料でした」と伝えると、急に柔軟になる会社もあります。
相見積もりをとって比較・交渉することで、数万円単位の節約が可能になるのです。
あわせて読みたい☞仲介手数料を値切るお客様はどう思われているのか?
4. 相見積もりの手順【ステップ別解説】


STEP1:気になる物件をSUUMOやHOME’Sでピックアップ
まずは気になる物件を1〜3件程度選びます。物件名・住所・写真などを控えておきましょう。
STEP2:複数の不動産会社に「見積もり依頼」
その物件を取り扱っている複数の不動産会社に問い合わせ、以下のように伝えましょう。
「この物件の初期費用の内訳を、できればメールでいただけますか?」
これで「仲介手数料・礼金・敷金・前家賃」などがわかる見積もりが届きます。
STEP3:最も安い見積もりをもとに交渉する
見積もりが出揃ったら、最も条件のよかった会社の内容を他社に提示して交渉します。
「他社では仲介手数料が〇〇万円でした。御社で無料にしていただけるなら、ぜひ契約したいと考えています」
5. 交渉時に使える文例テンプレート

やりとりはメールやLINEがベストです。以下は使えるテンプレートです。
見積もり依頼
はじめまして。〇〇(物件名)についてお伺いしたくご連絡しました。
初期費用の詳細(仲介手数料・礼金・敷金など)を教えていただけますと幸いです。
他社見積もりをもとに交渉
お世話になっております。
こちらの物件ですが、他社では仲介手数料が〇〇万円との見積もりをいただきました。
御社で無料にしていただける場合、ぜひ御社で契約を進めさせていただきたいと考えております。ご検討いただけますでしょうか。
あわせて読みたい☞【賃貸】初期費用の交渉で成功するメール例文
6. 相見積もりの際の注意点

相見積もりは仲介手数料を安くする強力な方法ですが、やり方を間違えると不動産会社との信頼関係が崩れたり、思わぬトラブルに発展することもあります
ここでは、トラブルを避けつつ、効果的に相見積もりを取るための注意点を紹介します。
同じ物件で見積もりを依頼すること
複数の不動産会社に見積もりを依頼する際は*必ず「同じ物件」を指定しましょう。
物件が違うと、家賃や礼金などの条件も異なるため、単純に「どちらが安いか」を比較できません。
ポイント
SUUMOやHOME’Sなどで物件情報をスクリーンショットして送ると正確です。
「◯◯マンション 302号室 家賃◯万円で見積もりをお願いします」と明記すると親切です。
できれば「同じタイミング」で依頼する
見積もりは、できるだけ同じ日〜1日以内に複数社へ同時に依頼するのがおすすめです。
時間が空くと物件が埋まってしまったり、条件が変更になる可能性があるため、比較の精度が落ちてしまいます。
不動産会社に「相見積もり中」と伝えるべきか?
これはケースバイケースですが、以下のように丁寧に伝えると印象が良く、交渉もスムーズです。
「他社さんからも同じ物件で見積もりをもらっているのですが、条件の比較をして決めたいと思っています」
露骨に値下げだけを要求するような伝え方ではなく、「公平に検討している」という姿勢を見せるのがコツです。
「おとり物件」に注意する
極端に安い初期費用を提示してくる不動産会社の中には、「おとり物件(実際には契約できない物件)」を使って客を釣る悪質業者も存在します。
気になる場合は、以下のような点に注意してください。
物件が他のポータルサイトには載っていない
明らかに相場より安すぎる
問い合わせた直後に「もう埋まりましたが、似た物件あります」と言われる
→ 怪しいと思ったら、その会社は避けるのが無難です。
あわせて読みたい☞SUUMOなどの物件ポータルサイトに潜む“空室詐欺”にご用心
無理な交渉は逆効果
不動産会社もビジネスです。相見積もりを理由に過度な値引きを求めたり、上から目線で交渉すると、対応が悪くなる可能性があります。
交渉はあくまで「お願いベース」で。
「もし手数料の調整が可能であればお願いしたいです」といった柔らかい言い方を心がけましょう。
最後は「信頼できる担当者」で選ぶのも大事
金額面だけで決めてしまうと、対応が雑だったり、後から追加費用が発生するなど別のトラブルが起こることもあります。
最終的には、「ちゃんと説明してくれる」「誠実に対応してくれる」など、信頼できる担当者かどうかも重要な判断基準にしましょう。
7. まとめ

賃貸契約における仲介手数料は、実は交渉次第で無料にできる可能性がある費用です。特に「同じ物件を複数の不動産会社が扱っている」という仕組みを活かした相見積もりは、費用を抑える強力な手段です。
本記事では、仲介手数料の仕組みから、相見積もりの方法・注意点まで詳しく解説しました。
スマホ1つで簡単にでき、数万円の節約になることも珍しくありません。
最初は少し手間に感じるかもしれませんが、「知らずに損する」ことを避けるためにも、ぜひ一度実践してみてください。

