1.はじめに

「冬になると部屋が寒くてつらい…」「暖房をつけてもなかなか暖まらない」――そんな悩みを抱える人は少なくありません。
特に賃貸物件では、入居してみてから寒さに気づくケースも多く、後悔する前に物件選びの段階でしっかりと見極めることが大切です。
本記事では、冬に寒くなりやすい賃貸物件の特徴や、内見時にチェックすべきポイントについて解説します。寒さを我慢しながら暮らすのではなく、快適に冬を乗り越えられる住まいを選ぶための参考にしてください。

2.冬に寒い賃貸物件の主な特徴

窓が単層ガラス(シングルガラス)
単層ガラスの窓は断熱性が低く、外の冷気が室内に直接伝わってしまいます。冬場は窓からの冷気で室温が下がりやすく、結露も発生しやすいため、寒さとカビの両方に悩まされることも。
チェックポイント
内見時に窓ガラスの枚数を確認。ペアガラス(二重ガラス)や内窓がある物件は、断熱効果が高くおすすめです。
築年数が古く断熱材が不十分
築年数の古い物件(特に築30年以上)では、壁や天井、床に断熱材が入っていない、もしくは劣化していることがあります。そうなると、外気温が室内に伝わりやすく、冷え込む原因になります。
チェックポイント
築年数だけでなく「フルリノベーション済み」「断熱リフォーム済み」などの表記があるか確認。内見時に壁や床が冷たすぎないか触ってみるのも◎。
北向きで日当たりが悪い
北向きの部屋は日照時間が短く、太陽の暖かさを取り込みにくいため、室内が一日中寒いままということもあります。特に冬場は日差しが貴重な暖房代わりになります。
チェックポイント
部屋の方角、周囲に高い建物がないか、窓の外の抜け感などを内見時に確認しましょう。日中に内見に行くと、日当たりの具合がわかりやすいです。
1階・床がフローリングで床下断熱がない
1階の部屋や、古い木造物件では床下断熱がないことが多く、床から冷気が伝わってきます。フローリングだけの床だとその冷たさがダイレクトに伝わり、足元が特に寒く感じられます。
チェックポイント
床の冷たさは実際に素足で歩いてみるのがベスト。カーペットやラグでの対策が必要になるかどうかを想像しながら内見しましょう。
隙間風・すきまの多い構造
古い建物や木造アパートでは、建具の立て付けが悪く、窓やドア、換気口などから隙間風が入ってくることがあります。暖房をつけても、熱が逃げてしまい非効率です。
チェックポイント
窓やドアを閉めたときに、しっかり密閉されているか、パッキンが劣化していないかをチェック。換気口にカバーや風除けがあるかも確認しましょう。
吹き抜けや天井が高すぎる
一見おしゃれに見える吹き抜けや高天井ですが、暖かい空気は上に逃げてしまうため、暖房効率が悪くなることも。ファンなどの空気循環設備がない場合、室温がなかなか上がりません。
チェックポイント
高天井の物件では、天井ファンや空調設備が設置されているかを確認。暖房器具の容量が合っているかも大切なポイントです。
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3.内見時にチェックしたい寒さのサイン

賃貸物件の寒さは、契約してからでないと気づけないことも多く、内見時にしっかりとチェックすることが大切です。以下のポイントを意識して見ることで、寒い物件を回避できる可能性がぐっと上がります。
窓ガラスの種類とサッシの構造
チェックポイント
窓ガラスが「単層ガラス(シングル)」か「ペアガラス(二重)」か
アルミサッシか樹脂サッシか(樹脂のほうが断熱性が高い)
窓の立て付けが悪くないか、隙間がないか
ワンポイント
窓に手をかざしてみて、冷気が感じられるようなら要注意。目立たなくても「隙間風」が入ってくる可能性があります。
壁や床の温度感・素材
チェックポイント
壁に触ってみて、異常に冷たいと感じないか
床がフローリングのみか、クッションフロアやカーペットが敷かれているか
床に直接座ったり、手を当てて冷たさを体感してみる
ワンポイント
特に1階の物件では床冷えが強くなりがちなので要注意。冬場は足元から冷えるので、床材と断熱性はかなり重要です。
日当たりと窓の位置・向き
チェックポイント
部屋の方角(南向きが◎、北向きは寒くなりがち)
周囲に高い建物がなく、遮るものがないか
日光がしっかり入っているか(特に午前中〜昼に内見するとよくわかる)
ワンポイント
晴れている日に内見できるとベスト。部屋にどれだけ光が入るかで、体感温度もかなり変わります。
窓やドアのパッキン・気密性
チェックポイント
ドアや窓を閉めたときにすき間が空いていないか
パッキンが劣化していないか(割れている、外れている)
開閉時にガタガタしないか
ワンポイント
古い建物ほど、経年劣化で気密性が落ちていることが多いです。風の通り道になっていると暖房が効きにくくなります。
換気口や通気口の状態
チェックポイント
換気口にカバーや風除けがついているか
換気扇が室外と直通で冷気が入ってこないか
明らかに冷気を感じるような開口部がないか
ワンポイント
小さな開口部からでも冷気は容赦なく侵入してきます。対策されていない換気口があると、冬場の体感温度は大幅に下がります。
壁の厚さ・構造を不動産会社に確認する
チェックポイント
壁が薄くないか、叩いた音で確認(スカスカしていたら要注意)
鉄骨・木造・RC(鉄筋コンクリート)などの構造を聞く
外壁や断熱材の有無について説明を求めてみる
ワンポイント
断熱性の高い「RC造(鉄筋コンクリート造)」の物件は、一般的に冬も暖かく、騒音にも強いというメリットがあります。
においや湿気、空気の冷たさ
チェックポイント
部屋に入った瞬間の空気の冷たさ(ひんやりしすぎていないか)
カビ臭さや湿気のにおいがしないか
結露が起きていないか(カビ・寒さのサイン)
ワンポイント
換気がうまくされていない寒い部屋は、湿気がこもってカビ臭くなっていることがあります。見た目だけでなく「空気の質」も感じ取ってみましょう。
4.寒い部屋を選ばないためのコツ


賃貸物件を選ぶ際、「立地」や「家賃」にばかり目が行きがちですが、「冬に暖かく過ごせるかどうか」も非常に大切な視点です。ここでは、寒い部屋を選ばないための具体的なコツを紹介します。
内見はできれば“寒い時期”や“寒い時間帯”に行う
春〜秋の暖かい時期に内見すると、室温に違和感がなく、寒さのリスクに気づけません。冬の早朝や夕方など、冷え込む時間帯に内見をすることで、実際の室温や冷えやすさをリアルに感じられます。
ポイント
時間が許すなら、同じ物件を午前と夕方で2回内見して、日当たりや冷え方の違いを体感しましょう。
「断熱性が高い構造」の物件を選ぶ
建物の構造によって断熱性に大きな差があります。
- RC造(鉄筋コンクリート):断熱性・遮音性ともに優秀。寒さ対策に強い。
- 鉄骨造:冷えやすいが、物件によっては断熱材をしっかり使っていることも。
- 木造:通気性が良く冷えやすいため、特に築年数が古い物件は注意。
ポイント
内見時に「建物の構造は何ですか?」「断熱材は入っていますか?」と不動産会社に質問してみましょう。
日当たり・方角・周辺環境を確認する
部屋の方角や日当たりは、体感温度を大きく左右します。
南向き:日当たり◎。冬場でも自然光で暖かくなりやすい。
東向き:午前中の日当たりが◎。早起きの人におすすめ。
北向き:一日中日が当たらないこともあり、寒さに注意。
西向き:冬は日照が少なめ。夏の西日が強い場合も。
ポイント
窓の外に高い建物や密集した住宅がないかも重要。日差しが入らない原因になります。
内見時には「触れて」確認する
実際に手や足で壁・床・窓を触ってみることで、冷え具合や断熱性がわかります。
壁や窓に手を当てて冷たすぎないか確認
床に座ったときの冷えを体感
隙間風があるか、窓の周りに冷気がたまっていないかチェック
ポイント
「感じること」も重要な判断材料です。遠慮せず、感覚的な冷たさを確かめてOK!
不動産会社に“正直に”聞いてみる
「この物件、冬は寒いですか?」と率直に聞いてみるのも意外と効果的。不動産会社も過去に住んでいた人の感想を知っている場合があります。
ポイント
聞きにくければ、「このあたりの物件で冬に寒さで困ったという声はありましたか?」とやんわり聞いても◎。
口コミや住人の評判をネットで調べる
実際にその物件に住んだことのある人の口コミは、リアルな情報源です。SUUMOやHOME’Sなどの不動産サイトの口コミ欄や、Googleマップ、SNSでも「寒かった」「結露がひどい」などの声がないかチェックしてみましょう。
ポイント
「物件名+寒い」「住所+断熱」などで検索すると、思わぬ情報が見つかることも。
「寒さ対策が可能か」も視野に入れる
どうしても気に入った物件が少し寒そう…という場合でも、ある程度の対策が可能かを考えておくのも一つの手です。
内窓・断熱カーテンの設置ができるか
暖房器具を置けるスペースとコンセントの位置
カーペットやラグで床冷え対策ができるか
ポイント
部屋が寒い前提でも、“対策が取りやすい間取り”なら選択肢として残す価値ありです。
「寒くない部屋を選ぶ」というのは、快適な暮らしを手に入れるための大事な視点です。目に見えない部分にこそ注目して、後悔のない物件選びをしてくださいね。
5.まとめ

冬に寒い賃貸物件には、共通する構造的な特徴があります。断熱性の低さや日当たりの悪さ、隙間風などは、住んでから気づいて後悔する原因になりがちです。
寒さは生活の快適さや光熱費にも大きく影響するため、物件選びの際は“寒くないかどうか”も重視すべきポイントです。
内見時には実際に手で触れる・空気感を感じる・不動産会社に確認するなど、五感をフル活用してチェックしましょう。ちょっとした気づきが、冬を暖かく快適に過ごせる住まい選びにつながります。

