1. はじめに
賃貸物件の契約では、1人だけで借りるケースが多いですが、配偶者やルームメイトと「共同名義」で契約することもあります。
共同名義とは、契約書上で全員が連帯して借主となる形態で、家賃支払いや契約上の義務を全員が負います。収入を合算できるなどのメリットもある一方、契約解消やトラブル時にはデメリットが表面化することも。
本記事では、共同名義契約の仕組みやメリット・デメリット、そして契約前に押さえておきたい注意点をまとめます。
2. 共同名義契約とは?

共同名義契約の基本
共同名義契約とは、複数人が「借主」として同じ賃貸借契約書に署名・押印し、契約上の権利と義務を平等に負う契約形態のことです。契約書には、全員の氏名・住所・印鑑が記載され、それぞれが大家(または管理会社)に対して直接責任を負います。
主な対象ケース
配偶者(夫婦)
結婚している夫婦が、家計を共有する形で契約するケース。
事実婚や同棲カップル
婚姻届を出していないパートナーでも可能な場合あり。
ルームメイト
友人や同僚などが一緒に暮らす場合。
親子
高齢の親や学生の子どもと暮らすケースで、審査のために共同名義にする場合も。
単独名義との違い

| 項目 | 共同名義 | 単独名義 |
|---|---|---|
| 契約者数 | 複数人 | 1人 |
| 審査 | 全員の収入・信用情報を考慮 | 契約者のみ |
| 家賃支払い義務 | 全員に連帯責任 | 契約者のみ |
| 名義変更の容易さ | やや難しい | 比較的簡単 |
共同名義にする目的
入居審査で有利になる
複数人の収入を合算できるため、高額物件や条件の良い物件が借りやすい。
権利を平等にする
更新や解約、契約条件の変更時に全員が同等の発言権を持てる。
家賃支払いのリスク分散
片方が収入減になっても、もう一方が補える可能性がある。
こうすれば、「共同名義契約とは?」を知りたい人が定義から対象者、メリットの背景まで一度で理解できる形になります。
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3. 共同名義にするメリット

共同名義契約には、単独名義では得られない複数の利点があります。特に、入居審査の通過率向上や契約上の権利の平等化といった面は、多くの人にとって大きな魅力です。以下では、代表的なメリットを詳しく見ていきましょう。
収入を合算でき、入居審査に有利
収入基準をクリアしやすい
高額家賃の物件や、人気エリアの物件では「家賃は月収の3分の1以内」といった審査基準があります。共同名義なら全員の収入を合算でき、より条件の良い物件が選びやすくなります。
保証会社審査にも通りやすい
収入面だけでなく、信用情報の補完にもつながります。
契約上の権利が平等になる
更新・条件変更に全員が関われる
単独名義では契約者だけが正式な決定権を持ちますが、共同名義なら全員が同等の立場で手続きに参加できます。
片方だけが不利になる事態を防げる
家賃変更や契約内容の修正時も、全員の同意が必要となります。
家賃支払いのリスク分散
収入減や病気のときも安心
1人が支払えなくなっても、もう1人が補填できるため、滞納リスクが減ります。
精神的な負担も軽減
金銭的責任を分け合えるため、家計管理がしやすくなります。
大家・管理会社からの信頼度向上
複数人の責任体制
滞納や退去リスクが分散するため、貸主側も安心しやすい。
契約を結びやすくなるケースも
特にルームシェアや事実婚など、単独名義では断られやすいケースで有効です。
このように、共同名義は「より良い物件を借りやすくなる」「契約上の立場が平等になる」「経済的なリスクを分散できる」という三本柱のメリットがあります。
4. デメリット・リスクも知っておこう


共同名義契約はメリットも多い一方で、契約解除の難しさや連帯責任の重さなど、注意すべきリスクも存在します。契約後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、あらかじめ理解しておきましょう。
全員に「連帯責任」が発生する
1人が滞納すると全員が責任を負う
家賃や原状回復費用などは、共同名義者全員に支払い義務があります。1人が払えない場合、他の人が全額を肩代わりする必要があります。
退去後も請求される可能性
契約解除手続きが完了していない場合、退去しても負債の責任が残るケースがあります。
契約解消や名義変更が難しい
片方だけの退去がスムーズにできない
契約者全員の合意が必要となるため、トラブル時に時間や労力がかかります。
名義変更には再審査が必要な場合も
新しい契約者として審査に通らないと、名義変更が認められないことがあります。
人間関係の変化が契約に影響
離婚や別居、ルームメイト間の不仲
同居関係が破綻しても、契約上は責任が残り続けます。
金銭トラブルに発展するリスク
家賃や修繕費の負担割合を巡って争いになることもあります。
信用情報への影響
他人の滞納が自分の信用にも傷をつける
信用情報機関に事故情報が登録されれば、将来のローンや賃貸契約にも悪影響が出ます。
ポイント
共同名義のデメリットは、ほとんどが「全員が同じ責任を負う」という仕組みから発生します。契約前に、退去時やトラブル時の対応方法を具体的に話し合い、書面で残しておくことが重要です。
5. 契約前に確認すべきポイント

共同名義契約はメリットも多い一方で、解消が難しい契約形態です。契約前にしっかり話し合い、条件を明文化しておくことで、トラブルや金銭リスクを最小限にできます。以下は、事前に必ず確認しておきたい項目です。
家賃・光熱費の分担方法を明確に
家賃は折半か、収入割合に応じて分けるのかを決める
光熱費やネット代、NHK受信料なども分担方法を決める
支払い方法(口座振替・振込・現金)を統一しておく
滞納や退去時のルールを事前に決定
滞納が発生した場合、何日以内に立て替えるかを決めておく
片方が退去する場合の負担割合や精算方法を決めておく
敷金・礼金の返金時の分け方も合意しておく
名義変更の可否と手続き条件を確認
契約途中で名義を外す場合、大家や管理会社の承諾が必要かを確認
名義変更時に再審査があるかどうかを事前に聞いておく
保証会社の利用条件を把握
共同名義でも全員が保証会社の審査を受ける必要がある場合あり
どちらかが審査に落ちると契約できないこともあるため注意
将来の生活変化を想定しておく
転勤・結婚・離婚・同居解消などの可能性を話し合う
短期間で退去する可能性がある場合は、解約違約金の有無を確認
チェックのコツ
口頭だけの約束は後で揉めやすいため、簡単な覚書や契約書に書き足す形で残すと安心です。
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6. 単独名義+同居人登録という方法も
共同名義契約は収入合算や権利の平等化というメリットがありますが、連帯責任や契約解消の難しさというデメリットも伴います。そこで、もう一つの方法として「単独名義+同居人登録」があります。
単独名義+同居人登録とは?
契約者を1人に絞る
賃貸借契約書には1人だけが借主として記載されます。
もう1人は「同居人」として届け出る
管理会社や大家に同居人の氏名を伝え、入居許可を得ます。
契約上の義務は契約者のみが負う
家賃支払いや退去時の原状回復義務は契約者だけが責任を持つ形です。
メリット
契約解消が容易
同居人が引っ越しても契約者の手続きだけで継続可能。
トラブル時の責任範囲が明確
支払い義務は契約者のみなので、金銭トラブルが減る。
名義変更の手間が少ない
契約者の変更が不要なため、再審査も発生しにくい。
デメリット
収入合算ができない
入居審査は契約者のみの収入・信用情報で判断される。
契約上の権利は契約者に集中
更新・解約の決定権は契約者のみが持つため、同居人は発言権が弱い。
一部の物件では不可
管理規約や契約条件によっては同居人登録が認められない場合もある。
7. まとめ

配偶者やルームメイトとの共同名義契約は、収入合算による審査通過や権利の平等化といったメリットがある一方、解消の難しさや連帯責任のリスクも伴います。契約前には、家賃や費用の分担方法、退去時の対応、名義変更の可否をしっかり話し合い、契約書で確認しておくことが大切です。
また、状況によっては単独名義+同居人登録の方が柔軟に対応できる場合もあります。将来の生活変化も見据え、最適な契約形態を選びましょう。

