【賃貸】更新料は下げられるのか?交渉のタイミングと例文

1. はじめに

賃貸物件の契約更新時にかかる「更新料」。家賃1か月分程度が相場ですが、引っ越し費用や生活費が重なると大きな負担になります。「更新料って下げられるの?」と考える方も多いでしょう。

実は、絶対に下げられないわけではなく、交渉次第で減額や免除の可能性があります。本記事では、更新料交渉のタイミングや注意点、使える例文まで詳しく解説します。

2. 更新料の基本知識

更新料とは

更新料とは、賃貸借契約の期間が満了し、契約を継続する際に貸主へ支払う一時金のことです。
多くの賃貸契約では契約期間が「2年間」と定められており、満了時に再契約(更新)する場合、この費用が発生します。

更新料は敷金や礼金とは別枠で請求され、家賃や管理費とは性質が異なります。

更新料の相場

更新料の金額は契約によって異なりますが、首都圏を中心に家賃1か月分がもっとも一般的です。


地域や物件によっては「0.5か月分」や「2か月分」と設定されている場合もあり、逆に更新料自体を設けていない物件もあります。

家賃 80,000円 → 更新料 80,000円(家賃1か月分)

家賃 100,000円 → 更新料 50,000円(0.5か月分)

法的な位置付け

更新料は、法律で一律に義務付けられているものではありません
2011年7月に最高裁判所が「更新料は契約自由の原則の範囲内で有効」と判断したため、契約書に更新料の金額や支払い条件が明記されている場合は、入居者はこれに従う必要があります。
逆に、契約書に記載がなければ更新料を請求されることはありません。

地域差と文化

更新料は主に首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)や京都など関西の一部地域で一般的な慣習です。
一方で、北海道や東北、九州の多くのエリアでは更新料の文化がほとんどなく、「更新料なし」が当たり前の地域もあります。そのため、引っ越し先のエリアによっては大幅な節約が可能です。

更新料に含まれる意味合い

更新料には「貸主が入居者に住み続けてもらうための対価」や「契約書類の作成・事務手続き費用」などの意味合いが含まれています。ただし、実際には事務コスト以上に高額なため、入居者からは負担感が大きい費用として認識されることが多いです。

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3. 更新料は下げられる?

結論:交渉次第で下げられる可能性はある

更新料は契約書に基づく費用ですが、法律で固定されているものではありません。そのため、貸主や管理会社との交渉によって、減額・免除・分割払いなどが認められるケースがあります。特に長期入居者や優良な入居履歴がある場合、交渉の余地は広がります。

下げられる可能性が高いケース

更新料が下がるかどうかは、物件の状況や貸主の意向によって左右されます。以下の条件がそろうと、成功確率が上がります。

空室率が高い物件

新たな入居者が決まりにくい状況では、既存の入居者をつなぎとめたいと考えるオーナーが多い。

長く住んでいる&トラブルがない

家賃の滞納歴がなく、騒音などの苦情もない「優良入居者」は、オーナーにとって貴重な存在。

近隣相場より更新料が高い

同じエリアで更新料が安い物件が多ければ、その情報を交渉材料にできる。

設備の老朽化や不便さがある

エアコンや給湯器などが古く、修繕や交換が必要な場合、「その分を更新料で調整できませんか」と提案できる。

引っ越しも視野に入れている

「更新料が高ければ退去も検討している」という意思をやんわり伝えることで、貸主が歩み寄る場合がある。

注意点

強引な要求や高圧的な態度は逆効果

契約書に明確に「更新料◯か月分」と記載されている場合、相手が応じる義務はない

人気物件や空室リスクが低い場合は交渉が難しい

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4. 交渉のタイミング

更新料の交渉は、「いつ話すか」が結果を大きく左右します。

遅すぎれば手続きが進んでしまい、早すぎれば貸主も検討材料を持たずに「契約通りでお願いします」と返されてしまうこともあります。

ベストなタイミングは、更新案内を受け取った直後から1か月以内です。

タイミング別ポイント

更新案内が届いた直後(更新日の1〜2か月前)

管理会社や貸主からの更新案内は、通常更新日の1〜2か月前に届きます。

この時期はまだ契約更新手続きが始まっていないため、条件変更の相談がしやすいです。

「引き続き住みたいが、更新料について相談したい」という前向きな姿勢を示すと効果的。

相場や物件状況を調べた後

交渉の前に、近隣の同条件物件の更新料や家賃相場を調べておきましょう。

「同じマンションの他の部屋は更新料0.5か月分だった」など、根拠があれば説得力が増します。

設備の老朽化や修繕の必要がある箇所も記録し、あわせて交渉材料に。

家賃交渉とセットで提案する場合

家賃の値下げ交渉と更新料の減額を同時に持ちかけると、オーナーにとって負担が大きくなります。

この場合は、「家賃は据え置きにする代わりに更新料を下げてほしい」など、どちらかに譲歩する形が成功率を上げます。

引っ越しも検討しているタイミング

「条件が改善されなければ退去」という意思を持っている場合、更新日の1か月半〜2か月前に相談するのがベスト。

この時期なら、交渉が決裂しても退去準備が間に合いますし、貸主も空室リスクを意識しやすくなります。

避けた方がいいタイミング

更新日の直前(1〜2週間前)、貸主も事務手続きが進んでおり、条件変更が難しい。

契約更新手続き完了後、契約が成立してしまっているため、減額交渉はほぼ不可能。

タイミングのまとめ

更新案内が届いた直後に動く

相場調査や理由づけの準備をしてから交渉

退去を視野に入れる場合は1か月半前に着手

5. 更新料交渉の例文

更新料の交渉では、感情的にならず、事実と理由を明確に伝えることが大切です。ここでは、メール・書面・口頭で使える具体例を紹介します。

メール・書面での例文(基本形)

件名:契約更新料のご相談(○○マンション○号室)

○○不動産 御中
いつもお世話になっております。○○マンション○号室に居住しております○○と申します。
このたび、契約更新のご案内をいただきましたが、更新料についてご相談がございます。
近隣の同条件物件と比較し、更新料がやや高めであること、また設備の老朽化も感じております。
可能であれば、更新料の減額または免除をご検討いただけますと幸いです。
引き続き長く住みたいと考えておりますので、何卒よろしくお願いいたします。

メール・書面での例文(分割払いを希望する場合)

このたび更新料のご案内をいただきましたが、一度にお支払いするのが難しい状況です。
更新料の減額、または家賃に上乗せする形での分割払いをご検討いただくことは可能でしょうか。
無理なお願いで恐縮ですが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。

口頭での例文(管理会社・貸主と直接話す場合)

  • 「今回の更新料ですが、近隣の相場や設備の状況を考えて、少し下げていただくことは可能でしょうか?」
  • 「更新料の支払いが厳しい状況なので、減額か分割払いをご相談できればと思っています。」
  • 「長く住みたいと思っておりますので、更新料の条件を見直していただけると助かります。」

ポイント付き例文の作り方

前向きな姿勢を示す:「これからも住み続けたい」

客観的な根拠を添える:「近隣相場」「設備の老朽化」「長期入居実績」

希望条件を明確に:「減額」「免除」「分割払い」

丁寧で簡潔な言葉遣い

6. まとめ

賃貸の更新料は契約書に基づく費用ですが、法律で一律に定められているわけではなく、条件や交渉次第で減額や免除の可能性があります。

成功のカギはタイミング根拠です。更新案内が届いた直後から1か月以内に動き、近隣相場や物件の老朽化など、客観的な理由を用意して丁寧に相談しましょう。長期入居や優良な入居履歴は大きな武器になります。

強引な要求は避け、貸主にとってもメリットのある提案ができれば、条件改善が実現する可能性は十分あります。更新料は「決まり」ではなく「交渉できる費用」と捉え、準備して臨みましょう。

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