水道代無料の物件、実はお得じゃない?そのカラクリを徹底解説

1. はじめに

家探しをしていると、「水道代無料」と書かれた物件に目を引かれることがあります。毎月の固定費が少しでも安くなるならラッキー!と思う人も多いはずです。

実際、水道料金は月に2,000円前後かかることが多く、それが無料になるなら家計にも優しい印象を受けます。しかし、その“無料”という言葉には、思わぬ落とし穴が潜んでいることも。家賃に上乗せされていたり、共益費に含まれていたりと、実はしっかりと回収されている場合が少なくありません。

今回は、そんな「水道代無料」の物件に潜むカラクリや、損をしないための見極めポイントについて解説していきます。

2. 水道代無料って、どういうこと?

「水道代無料」と聞くと、「水をいくら使ってもタダ!」と思ってしまうかもしれません。でも実際には、水道代がまったく発生していないわけではなく、別の形で支払っている可能性が高いのです。

水道代無料の仕組みとは?

多くの「水道代無料」物件は、以下のような運用をしています。

物件全体で水道契約を一括管理

各部屋ごとに水道メーターがなく、個別請求ができない

大家さんや管理会社が一括で水道料金を支払い

入居者に請求はしないが、その分のコストはどこかに含まれている

実は“間接的に”払っている?

水道代が無料になっているわけではなく、別の費用に含まれているケースがほとんどです。

以下のような形で負担している場合があります。

家賃にあらかじめ上乗せ

周辺の同条件物件よりも家賃が高めに設定されていることも

共益費・管理費に含まれている

「共益費込みで〇〇円」という形で実質的に負担している

固定費として組み込まれている

水道使用量にかかわらず、一定の金額を支払う仕組みになっていることも

なぜ一括契約にしているの?

水道代を一括契約・無料とする理由には、建物の構造や契約の事情が関係しています。

毎月の検針や請求の手間を省くため、一括で処理している

古い建物で個別メーターがない

水道の使用量を個別に把握できないため、共用で契約している

簡易宿泊施設やシェアハウスなどの転用物件

元々が短期利用前提の建物で、個別管理を想定していない

管理を簡素化したい

3. 「水道代無料」のカラクリ

「無料」と書かれていると、つい“得している”と感じてしまいますが、不動産の世界において「無料」は必ずしも“無償”を意味しません。
実際には、入居者が別の形で負担しているだけというケースがほとんどです。

ここでは、よくある「水道代無料」のカラクリを4つに分けて解説します。

カラクリ①:家賃に上乗せされている

一番多いパターンがこちらです。
水道代を「無料」としている代わりに、月々の家賃にその分の金額をあらかじめ含めているケースです。

  • 周辺の同じような条件の物件と比べて、家賃が1,000〜2,000円ほど高い
  • 実際にはその差額が“水道代相当”と考えられる

この場合、「水道代は払っていないつもりでも、毎月きちんと支払っている」ということになります。

カラクリ②:共益費・管理費で回収されている

一見して家賃が相場並みであっても、共益費や管理費が割高に設定されていることがあります。

  • 「共益費込み○○円」などの記載がある
  • 同じエリア・間取りの物件と比べて共益費が高め

つまり、水道代が「共益費」という名目にすり替えられている可能性があるということです。

カラクリ③:水道使用量に上限がある

「水道代無料」とはいえ、無制限に使ってよいわけではない場合もあります。

よくある制限の例

  • 「常識的な範囲での利用に限る」
  • 「1人当たり○○㎥まで。超過時は追加請求」

こうした条件が、契約書の備考欄や入居時の案内に記載されている場合があります。特にルームシェアや人数の多い世帯では注意が必要です。

カラクリ④:建物の構造上、個別課金ができないだけ

水道代が無料になっているのは、あくまで建物の事情でしかないケースもあります。

  • 古いアパートや木造の集合住宅
  • シェアハウスや簡易宿泊施設を改装した物件

このような物件では、水道メーターが各部屋についておらず、使用量の把握ができないため、一律無料扱いにしているだけです。

その分、水道代は物件全体の運用コストに含まれていると考えてよいでしょう。

4. どんな物件が「水道代無料」になりやすい?

水道代が無料になっている物件には、ある共通点や特徴的な傾向があります。
実はその「無料」、物件の構造や契約形態によるものであることが多く、一定のパターンが見られるのです。

ここでは、「水道代無料」になりやすい物件タイプを紹介します。

小規模なアパート・古い集合住宅

特徴

築年数が古く、水道設備が一括管理されている

各部屋に個別メーターがなく、使用量を計測できない

2〜6世帯程度の小規模な物件に多い

なぜ無料になりやすい?

メーターを後付けするには費用がかかるため、管理の簡略化を優先して一括契約+無料表記にしているケースが多いです。

シェアハウス・ルームシェア可の物件

特徴

1つの住戸を複数人で使用するスタイル

光熱費が家賃に込みになっているケースが多い

共有スペース(キッチン・水回り)あり

なぜ無料になりやすい?

請求を分けるのが難しいため、初めから「家賃に水道代込み」とするのが一般的
また、光熱費一括管理が前提の契約内容であることも多いです。

元・簡易宿泊施設や店舗を改装した物件

特徴

もともと賃貸用ではない物件を住宅用途に改装

メーターが共通のままの場合が多い

住宅以外の用途で使われていたため、設備が特殊

なぜ無料になりやすい?

個別の水道使用量を把握しにくく、そのまま「無料」として貸し出されるケースが多いです。
また、借り手が見つかりにくい物件で「お得感を出すため」に無料としていることもあります。

低価格帯・学生向けワンルーム物件

特徴

月々のコストを抑えたい人をターゲットにした物件

家賃が3万円台など、低価格設定のことが多い

設備・内装は最低限

なぜ無料になりやすい?

少しでも「コスパの良さ」「わかりやすい料金体系」を打ち出すため、
「水道代無料」や「インターネット無料」などの表記が使われがちです。

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地方や郊外にある物件

特徴

都心より地価・家賃が安く、競争が激しい

空室対策で「無料設備」をアピールしがち

水道料金自体が比較的安価な地域もある

なぜ無料になりやすい?

→ 地方では「無料」を打ち出すことで差別化を図る傾向があります。
大家さんの判断で無料提供している場合もあり、裏のカラクリがない例も(稀に)存在します。

5. まとめ

「水道代無料」という言葉は、一見お得に見えますが、実際には家賃や共益費に組み込まれていたり、物件の構造上、個別課金ができないため一律で“無料”とされているだけだったりする場合が多くあります。

つまり「完全無料」ではなく、別の形でしっかり回収されているケースがほとんどです。物件選びの際は、「無料」の言葉に飛びつかず、総合的な費用や契約内容をよく確認することが重要です。

水道代が無料であっても、他の費用が割高なら意味がありません。「なぜ無料なのか?」の視点を持つことで、より納得のいく住まい選びができるはずです。

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